音楽
その昔、娯楽の少ない遊牧生活を送っていたキルギス人にとって、音楽は欠かせないものでした。音楽は生活に密着しており、宴席や叙事詩を読み上げるときに披露されました。村人たちは演奏家のもとへ集まり、響き渡る音楽の調べに聞き入っていました。
コムズ (Комуз)
キルギスを代表する民族楽器です。三味線に似た3弦の撥弦楽器ですが、通常バチは用いません。木材にはアプリコットの木が使われます。奏法が独特なことで知られ、乗馬や戦闘を思わせるアクロバティックな演奏が特徴です。
スブズグ (Сыбызгы)
木で作られた、フルートのような横笛です。牧童や馬飼いが用いていた笛が元と言われています。
テミルコムズ (Темир комуз)
鉄でできた口琴です。テミルは鉄という意味なので、「鉄の楽器」という意味になります。アイヌの民族楽器ムックリに似ており、口にくわえ、その弁を弾いて口腔で音を出します。
チョポチョオル (Чопо чоор)
チョポは土、チョオルは笛を意味し、その意味の通り土で出来た笛です。オカリナに似ており、明るくのびのいい音がするのが特徴です。
クルクヤック (Кыл кыяк)
クルミや桃の木から作られる2弦の擦弦楽器です。バイオリンの原点とも言うべき楽器で、二胡や馬頭琴のように馬の毛を使った弦と弓を使って演奏します。
民族衣装
キルギス人の伝統衣装の特徴は、生地が丈夫で乗馬に適し、そして一番に寒さに強いというとろこです。これは、キルギス人が古来より遊牧生活を営んでいたことが反映されています。衣服の多くは、羊の毛皮やウールから作られました。
カルパック
男性用の伝統的な帽子で、キルギス人男性の象徴であり正装です。今でも男性は式典やお祭り等で被ります。
エレチェック
既婚女性の伝統な帽子です。20〜30mもある長い白い布を頭と顔に巻き付けます。着けている人が亡くなった時にはその布で体を包みます。自分のエレチェックは、他人には触らせてはいけないと言われています。
テベテイ
動物の毛から作られる正方形の帽子です。中央アジア地域で広く見られます
ショキュリョ
円錐形の女性の伝統帽子です。結婚式や式典の際に被ります。
チェプケン
ベロアや光沢のある生地で作られるコートです。襟などにはキルギスの伝統模様があしらわれています。